第61回TREEセミナー予告

12月6日(木曜日) 17:00 〜 18:00
場所:東邦大学理学部5号館5207教室(東邦大学理学部へのアクセス

Zonation or Patch-dynamics:海洋ベントスのメタ個体群動態

山田 勝雅 Yamada Katsumasa
(独立行政法人 国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 特別研究員)

  要旨
 沿岸浅場域の干拓事業や都市化に伴う人為的な生息環境改変下において生残する種の多くは,幅広い環境適応能力や高い繁殖能力を有しているものの,局所個体群の消失が頻繁に生じているだろう.そのような状況下で絶滅を回避する種はどのようにして種個体群を維持させているのだろうか.
 海洋ベントスの多くの種が発生初期に浮遊幼生期を有することで広範囲に移動分散できる能力は,種の絶滅リスクを分散させる生存戦略のひとつとして挙げられる.分断化された局所個体群間の移動分散という空間プロセス,すなわちメタ個体群の存続性は,種個体群の維持に重要な役割を担っていると考えられる.
 しかし,分断化した局所個体群の空間分布動態(空間配置)の把握や,各局所個体群のメタ個体群としての役割(ソース・シンク)とその緩い繋がり (Connectivity) を実証的に解明することは困難であり,例えば,野外調査等によって得られたデータがメタ個体群の概念に当てはまらないといった報告例も多い.
 本セミナーでは,メタ個体群を形成するモデル種として,水産有用種であるアサリを取り上げ,野外調査,野外実験によって得られた結果から,海洋ベントス種のメタ個体群動態の実体解明を目指す研究を紹介する.沿岸域の干拓事業や都市化によって生じた劣悪な環境下においても,また,個体群が著しく搾取(漁獲)されながらも,繁殖個体群を維持し続ける(絶滅回避)その個体群維持機構に,メタ個体群形成の観点から迫りたい.



ポスター:第61回ポスター
尚、セミナー終了後に1時間ほど、懇親会もございますので、そちらにも是非ご参加下さい

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