最終更新: treeseminar 2015年06月11日(木) 17:42:22履歴
11月13日(木) 17:00-18:00
場所:理学部V号館 5208教室(東邦大学理学部へのアクセス)
場所:理学部V号館 5208教室(東邦大学理学部へのアクセス)
上田真由美 Mayumi Ueda
(甲南大学大学院 自然科学研究科 生命・機能科学専攻 博士後期課程3年)
要旨
ラビリンチュラ類は無色単細胞の紡錘形や球形をした細胞サイズが約5-20 µmの菌様原生生物です。大半は海産であり,熱帯から極域,
河口から深海まで世界中で存在が報告されています。海洋における有機物の分解は,原核生物であるバクテリアばかりが注目されて
きましたが,近年,真核従属栄養生物であるラビリンチュラ類がその生息域の広さと現存量の大きさから,海洋生態系の分解者として
重要な役割を果たしている可能性が示唆されてきています。しかし,ラビリンチュラ類が年間を通してどのような現存量変動をして
いるのか,どの属や種が生態的に重要なのかといった情報はほとんどありません。
そこで,大阪湾沿岸の定点で2-4週間ごとに,6年間,ラビリンチュラ類の現存量と構成系統群を継続的に調査しました。その結果,
ラビリンチュラ類の現存量は1ヶ月の間で急激に増減する現象が観察され,生態系に与える影響力は無視できない可能性が考えられました。
さらに,出現した系統群は水温,塩分,栄養源によって棲み分けている可能性が示唆されました。様々な環境に適応した系統群が存在
することによってラビリンチュラ類全体としては世界中の海に普遍的に生息しているのかもしれません。
本セミナーを通じてラビリンチュラ類に興味を持って頂けましたら幸いです。
ポスター:第71回
尚、セミナー終了後に1時間ほど、懇親会もございますので、そちらにも是非ご参加下さい
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