THE HIMEPEDIA／かぐや姫事典

（作詞・作曲：伊勢正三／編曲：瀬尾一三）
収録アルバム：三階建の詩

メンバー全員が平等に曲を書こうという『三階建の詩』の制作方針により、伊勢正三が（プロになって）初めて作詞・作曲した作品。
「なごり雪」のレコーディングの翌日に「22才の別れ」を書いたと語っている。

　「なごり雪」は、構想を立てて作ったわけではない。「今、春が来て君はきれいになった」というサビの部分が、突然曲付きで、初めにできてしまった。後は、どうやって全体の曲と詩をそこに持っていくか、それが僕の仕事だった。もちろん、それは簡単な仕事ではなかった。サビにいくまでの詩を何通り書いただろう。何十となく書いた覚えがある。「早起きとなりのばあちゃんも夢の中で」なんていう詩だって書いた。冗談でなく。
　その中であのようなストーリーができ上がり、僕の表現したかった季節感、せつなさが熟成されて作品として完成していった。
　今になって思うのだけれど、僕が作る前から「なごり雪」という作品のエッセンスのようなものが（それを僕はモードと呼んでいるのだけれど）、塊となって存在していたのではないか。僕は、たまたまそれをキャッチしただけなのではないか。「なごり雪」は、僕が作ったのではなくて、どこからか僕に降ってきたのではないか。そんなふうに感じたりする。

　最近聞いた話では、リーダーのこうせつとしては、「神田川」の後は、「なごり雪」をシングルで出したかったそうだ。でも、「赤ちょうちん」「妹」の映画化が決まっていたのでできなかった。そのうち「かぐや姫」が解散して、僕は「風」を結成した。仲間に女性フォークシンガーのイルカがいた。両者ともシングルを必要としていたので作品を分けた。風が「22才の別れ」を、イルカが「なごり雪」を歌うようになった。それからしばらく、僕は「なごり雪」を歌うことはなかった。

Web相鉄瓦版・特集「僕の中のなごり雪」
http://www.sotetsu-group.co.jp/kawaraban/126/nagor...


イルカが歌ったシングル（1975年発表）が大ヒット。早春を代表する日本の歌となる。

2002年、大林宣彦監督により映画化。伊勢正三本人も出演（タイトルバックで演奏）。

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カバー・アーティスト一覧：

アーティスト	発表年月日	収録アルバム
イルカ	1975/11/05	シングル　ほか	オリコン4位
新沼謙治	1977/04/25	『地図のない青春 新沼謙治III』
五木ひろし
由紀さおり
岡村靖幸
小原孝			ピアノ
永田真代	1993/11/09	シングル	B00005N014
チェリッシュ
芹洋子
裕木奈江
市井紗耶香 with 中澤裕子
市井紗耶香		『FOLK SONGS』	フォークカバー集
N.S.P.
ダ・カーポ
幸田聡子
平岡千佳
鈴木真仁(声優)	1998/03/21	『いちご白書をもう一度』
結城比呂(声優)	1999/10/21	『時の断層』
LIFE RECORDERS	1999/11/20	『東京の空』
七緒香	2000/03/23	『はじまりのうた』
小原未久	2003/02/24	シングル
ビリケン	2003/02/26	シングル「nagoriyuki」	“ヒップフォーク”
What's Love?	2003/03/05	『温故知新』	スカ
JINDOU	2003/04/04	シングル	パンクロック
けちゃっぷmania	2004/09	『GAL盤』	オムニバス
新沼謙治	2004/06/23	『特選集 飛行機雲』
石川ひとみ	2005/09/21	『With みんなの一五一会~フォークソング編』
高橋直純(声優)	2005/08/05	『scene~残したい風景~』
平原綾香	2005/11/02	『From To』	カバーアルバム
神園さやか	2006	『二十歳の原点』
リュ・シウォン	2007	シングル「花の首飾り」
徳永英明	2006	『VOCALIST 2』	カバーアルバム
ムック	2006	『COVER PARADE』	限定配布アルバム
KAT	2007	シングル	マツモトキヨシCMソング
中孝介	2008	シングル「春」