【定義】
仏陀の最期の教えを記した経典、涅槃部の一。詳しくは『仏垂般涅槃略説教誡経』といい、略して『仏遺教経』『遺教経』『遺教』などという。全1巻で、鳩摩羅什訳が広く用いられる。禅宗では、『仏祖三経』の一として重んじ、現在の日本曹洞宗では、喪儀法の臨終諷経などで挙唱され、また、「涅槃会」に際しても唱えられる。
【内容】
釈尊が鳩尸那城の沙羅双樹の間で涅槃に入ろうとした際に、諸々の弟子に最後に遺誡した経典。波羅提木叉の強調や、八大人覚の提唱などが見える。釈尊は自らの滅後、戒を本師とし、心を摂めて五根を制し、少欲知足の実践や、静処に於いて修行することなどを求めた。そして、最期にこのように述べた。
また、経典の題名だが、「垂」の字が入っているため、「垂誡」の意で解釈する例もあるが、実際には、「仏が般涅槃に垂んで、略説した教誡の経」と説くべきである。「垂」は「のぞんで・なんなんとして」の意である。
現在は『大正蔵』巻12などで容易に見ることが出来、得能文氏訳注岩波文庫本では『仏説四十二章経』と合冊されている。他にも、解説本は多数存在している。
【科段】
『遺教経』の科段は、従来の註釈(天親菩薩造『遺教経論』[T26]など)を参照して、以下の通り。
一、序分
二、世間の功徳を修習する分
一、邪業を誡む。
二、根心を誡制す。
三、多求を誡む。
四、睡眠を誡む。
五、瞋恚を誡む。
六、貢高を誡む。
七、諂曲を誡む。
三、出世間大人の功徳を成就する分
一、少欲功徳。
二、知足功徳。
三、遠離功徳。
四、精進功徳。
五、不忘念功徳。
六、禅定功徳。
七、智慧功徳。
八、究竟功徳。
四、畢竟甚深の功徳を顕示する分
五、入証決定を顕示する分
六、未入上上証を分別するため疑を断ずる分
七、種種の自性を離るる清浄無我の分
仏陀の最期の教えを記した経典、涅槃部の一。詳しくは『仏垂般涅槃略説教誡経』といい、略して『仏遺教経』『遺教経』『遺教』などという。全1巻で、鳩摩羅什訳が広く用いられる。禅宗では、『仏祖三経』の一として重んじ、現在の日本曹洞宗では、喪儀法の臨終諷経などで挙唱され、また、「涅槃会」に際しても唱えられる。
【内容】
釈尊が鳩尸那城の沙羅双樹の間で涅槃に入ろうとした際に、諸々の弟子に最後に遺誡した経典。波羅提木叉の強調や、八大人覚の提唱などが見える。釈尊は自らの滅後、戒を本師とし、心を摂めて五根を制し、少欲知足の実践や、静処に於いて修行することなどを求めた。そして、最期にこのように述べた。
汝等比丘、常にまさに一心に勤めて、出道を求むべし。一切世間の動不動の法は、皆是れ敗壊不安の相なり。汝等且く止みね、復た語いうことを得ること勿れ。時、将に過ぎなんと欲す、我れ滅度せんと欲す。是れ我が最後の教誨する所なり。 『遺教経』末尾
また、経典の題名だが、「垂」の字が入っているため、「垂誡」の意で解釈する例もあるが、実際には、「仏が般涅槃に垂んで、略説した教誡の経」と説くべきである。「垂」は「のぞんで・なんなんとして」の意である。
現在は『大正蔵』巻12などで容易に見ることが出来、得能文氏訳注岩波文庫本では『仏説四十二章経』と合冊されている。他にも、解説本は多数存在している。
【科段】
『遺教経』の科段は、従来の註釈(天親菩薩造『遺教経論』[T26]など)を参照して、以下の通り。
一、序分
二、世間の功徳を修習する分
一、邪業を誡む。
二、根心を誡制す。
三、多求を誡む。
四、睡眠を誡む。
五、瞋恚を誡む。
六、貢高を誡む。
七、諂曲を誡む。
三、出世間大人の功徳を成就する分
一、少欲功徳。
二、知足功徳。
三、遠離功徳。
四、精進功徳。
五、不忘念功徳。
六、禅定功徳。
七、智慧功徳。
八、究竟功徳。
四、畢竟甚深の功徳を顕示する分
五、入証決定を顕示する分
六、未入上上証を分別するため疑を断ずる分
七、種種の自性を離るる清浄無我の分
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