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【定義】

過去七仏の第六仏であり、現在賢劫第三仏である。
迦葉仏大和尚 此に飲光と云う。 『正法眼蔵』「仏祖」巻

なお、禅宗の灯史である『景徳伝灯録』巻一では、『長阿含経』からの引用で、迦葉仏を次のように紹介する。
人寿二万歳の時、この仏出世す。種は婆羅門、姓は迦葉なり。父は梵徳、母は財主、波羅奈城に居す。尼拘律樹下に坐して、説法すること一会、人、二万を度す。神足、二あり。一は提舎、二は婆羅婆なり。

婆羅門階級の出身で、姓より迦葉仏と呼ばれることが分かる。詳細は後述するが、『摩訶僧儀律』巻33にて、釈尊が或る婆羅門の礼拝を「今、二世尊を礼す」と述べた時、その婆羅門は自ら迦葉の姓と名乗り、釈尊が神通力で現じた迦葉仏の卒塔婆を「是れ、我が迦葉の塔なり」と述べた。

【内容】

迦葉仏は、釈迦牟尼仏の前に出現して仏法を説いたとされる。一部の仏典には、迦葉仏の説として伝える文脈もある。一部の律典に由れば、釈尊は迦葉仏を讃歎するなどしている。禅宗の公案の一部には、迦葉仏の時代のことを伝える「百丈野狐?」などがあり、また曹洞宗では、釈尊が迦葉仏より直接に正法嗣法したという伝承がある。
わが仏仏相伝の道は、しかあらず。釈迦牟尼仏、まさしく迦葉仏に嗣法せり、とならひきたるなり。釈迦仏の、嗣法してのちに、迦葉仏は入涅槃すと参学するなり。釈迦仏、もし迦葉仏に嗣法せざらんには、天然外道とおなじかるべし、誰か釈迦仏を信ずるあらん。 『正法眼蔵』「嗣書」巻

また、律典の一部に見える迦葉仏に関係する話を、道元禅師諸仏供養した故事として引用される。
僧祇律第三十三に云く、塔法は、仏、拘薩羅国に住して遊行の時、婆羅門有りて耕地す。世尊の行き過ぐるを見て、牛杖を持して地に拄して礼仏す。世尊、見已りて、便ち微笑を発る。諸の比丘、仏に白す、「何の因縁の故に笑む、唯だ願くは聞かんと欲う」。便ち諸の比丘に告ぐるに、「是の婆羅門、今、二世尊を礼す」。諸の比丘、仏に白して言く、「何等をか二仏とす」。仏、諸の比丘に告ぐるに、「我を礼する当に其の杖下に、迦葉仏の塔有り」。 諸の比丘、仏に白すに、「願くは迦葉仏の塔を見ん」。仏、諸の比丘に告ぐるに、「汝、此の婆羅門に従いて、土塊并びに是の地を索むべし」。諸の比丘、即便ち之を索む。時に婆羅門、便ち之を与うるに、得已んぬ。爾の時、世尊、即ち迦葉仏の七宝塔、高さ一由延、面の広きは半由延なるを現出す。婆羅門、見已りて、即便ち仏に白して言く、「世尊、我が姓は迦葉なり、是れ我が迦葉の塔なり」。 『正法眼蔵』「供養諸仏」巻

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