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【定義】

絡子・掛子・安陀会などとも呼ばれる袈裟(五条衣)の一種。作務や行歩に便利であるように形を小さくし、肩から掛けて身に纏うことが出来るようにされた物。
三衣の中、五條体に親しき故に内衣と名づくとあり。梵語の転にて、安陀会とも、安陀衛とも云ふ。行脚の時、著るに小にて便よきゆへに、道行衣とも云ふ。作務の時も、小にて働きよきゆへに、作務衣とも称す。今時禅林に掛絡と称す。 面山瑞方師『釈氏法衣訓』「第五 但三衣訓」

【内容】

今日は大掛絡と小掛絡と2種類使われており、大掛絡は横に肩の上に掛け、小掛絡は首に掛けて胸に垂らすように使う。なお、『釈氏要覧』(1020年序)には「絡子」の項目があり、また『禅苑清規』にも「掛子」の名で見えるため、中国宋代には広く用いられていたはずだが、道元禅師の著作には掛絡・絡子の記述は見えず、実際に用いていたかは文献上判断できない。もちろん、用いていないとも判断できない。

ただし、瑩山禅師の著作には関連する名称を見ることが出来る。
未時 若し方丈前の板、鳴ること三会すれば、法益有ることを知り、或いは意に随って参に赴け。或いは一衆となりて参に赴け。或いは衩衣、或いは掛子なり。人の意に随う。 『瑩山清規』「日中行事?」項

このように急に法益が行われることを知った場合の服装が指摘される中に、「掛子」という記述が見える。これが、絡子であった。また、後代の江戸時代にまでなると、当たり前のように用いられている。
因に一の小沙彌有り、橋上より来たり、暫く橋畔に止まり、立ちながら莎笠を卸し、地上に仰むけて、掛絡を脱ぎ、之を欄干に掛け、手巾を解き布衫を脱いで、之を莎笠の中に置く、傍らに屏処に向かって腰を折って小便す。 『見聞宝永記

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