日本曹洞宗に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々を簡潔に示しています。日本曹洞宗に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

読み方は、「けちみゃく」。

禅宗では、弟子が伝戒する証しとして、師から戒法の系譜が授けられた。これを『血脈』という。書式は時代や禅宗諸派によって異なっている。通常、釈尊から西天二十八祖・東土六祖を経て各派の系譜に連なる祖師の名前が記されている。
日本曹洞宗では、室中にて授与される三物(嗣書大事・血脈)の一。『仏祖正伝菩薩戒作法』に則った伝戒式で授けられる。なお、『嗣書』と『血脈』とが同義であるとする見解もある。
日本曹洞宗では、授戒会で、戒法を受けた戒弟に授与されるもの。或いは、檀信徒喪儀法の際に没後作僧のために授戒するが、その証として授けられるもの。
禅宗の奥義の喩え。

【内容】

特に、△砲弔い討世、道元禅師の晩年の言葉を記したものだともされている『御遺言記録』には、道元禅師が義介禅師に告げた以下のような見解が提示されている。
又た御尋ねして云く、「林際下の仏照禅師の嗣書、故鑑師之れを伝うるや否や。又た你之れを見るか」義介白く、「此の相伝は嗣書とは名づけず。祖師相伝の血脈なり云々。義介拝して之れを見る」仰せに云く、「其れをば嗣書と云うなり。使者を付ける書髣髴せり。又た輒く見聞す可きには非ず。然るに汝、之れを見るは旁に好運なり。末世の澆運中、僅かに仏法に値遇すと雖も、此等を保任するは、尤も器量と為す云々。作法の書様、聊か青原と南嶽と各別なり。其の後に又た雲門・法眼等の世ありて異なりと雖も同じく是れ嗣書なり」

なお、現在の曹洞宗で相伝されている『血脈』は、曹洞宗と臨済宗と、両方の系譜が書かれた「洞済両聯」という書式を用いている。さらに、下段の識語についても、両宗の見解が併記されており、両者に思想的相違がないことを明らかにしている。それは、道元禅師が臨済宗の心地覚心に授けた『血脈』が原型であるという。道元禅師は他に、天台宗の系譜を併記した『血脈』を、理観という僧に授与したともいう。

『血脈』の信仰的・思想的意義については、面山瑞方師『洞上室内訓訣』所収の「血脈訓訣」を参照のこと。

に関してだが、日本曹洞宗の場合、一応現行『行持軌範』の「檀信徒喪儀法」には「血脈授与」の差定があるため、故人に対し十六条戒の授与が終わった段階で、『血脈』を授けることになっているけれども、地域によっては『血脈』を授けない場合もあるし(喪儀法は、地域差が激しい)、地域に関わらず寺院によっては授けない場合もある。よって、軌範上にはあるけれども、葬儀の場で必ず頂戴するというわけではない。

また、頂戴した『血脈』だが、この扱いにも地域差があり、引導を渡した後で火葬を行う地域では、棺に入れて一緒に燃やすこともあるし、棺に入れないこともある。また、火葬を行ってから引導を行う地域では、当該寺院の住職の指導で、「仏壇」に入れておくこともあるし、骨壺に入れて一緒に墓地に納めることもある。よって、各家庭に、故人への『血脈』が残る場合と残らない場合とがある。

道元禅師の言葉に、次のようにある。
曩祖雲巌曰、無情説法、無情得聞。この血脈を正伝して、身心脱落の参学あるべし。 『正法眼蔵』「無情説法」巻

この箇所は、系譜や室内伝授物としての意味より、禅宗の奥義の意味が強い。

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