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【定義】

在家信者のまま、出家せずに成仏することだが、道元禅師批判される。対義語は出家成仏
聖教のなかに、在家成仏の説あれど、正伝にあらず、女身成仏の説あれど、またこれ正伝にあらず、仏祖正伝するは、出家成仏なり。 『正法眼蔵』「出家功徳」巻

【内容】

インドの釈尊に関する伝記や経典では、釈尊は出家すれば必ず成仏し、在家であれば転輪聖王になるという話が一般的である。しかし、以上のように、道元禅師は在家成仏の説は「聖教」に出るとあるが、従来の学僧達の研究は困難を窮めたようで、瞎道本光禅師は「在家成仏の文、未だ考撿せず」(『正法眼蔵却退一字参』「出家功徳」篇)とあるが、「在家成仏は、涅槃経四巻」とする見解もある(『正法眼蔵渉典和語鈔』)。『大般涅槃経』巻4は「如来性品」であるため、仏性論などを典拠にいわれたことだろうか。直接の典拠は不明。

字句として、典拠となりうるのは中国三論宗の吉蔵『法華義疏』巻9「提婆達多品第十二」に、「又た三句あり、一には出家成仏なり、釈迦の如し。二には在家成仏なり、智度論に云うが如し、「天王仏是なり、鉢及び袈裟を須いざるが故なり」、則ち調達の成仏の号、天王仏是れなり。三には倶に非なり、謂わく浄土仏なり」とある。道元禅師が参照されたのは、ここであろうか。

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