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【定義】

十善行・十善業・十善業道などともいう。身口意の三業に十種の善業を割り振ったもの。三身業(不殺生・不偸盗・不邪淫)・四口業(不妄語・不綺語・不悪口・不両舌)・三意業(不貪欲・不瞋恚・不邪見)のこと。なお、『大智度論』では、十善戒は仏陀がいてもいなくても全ての人が守るべき規範であると考え、「旧戒」と表現する。
十善道を旧戒と為し、余の律儀を客と為す。復た次に、若し仏出ずれば好世、則ち此の戒律無し。釈迦文仏の如く、悪世に在りと雖も、十二年中、亦、此の戒無し。是を以ての故に是れ客なるを知る。復た次に、二種戒有り。仏有りし時、或いは有、或いは無。十善、仏有りとも、仏無くとも常に有り。 『大智度論』巻46

十善行を十善戒という時には、三聚浄戒の中にある摂善法戒に含め、十善を行えば、人天の果報が得られる。上品や中品の持戒者は、福報として天界に生まれ、下品の持戒者は、人間界に生まれ、場合によっては転輪聖王となる。
八は、身に袈裟を著くれば、罪業消除し、十善業道、念念に増長す。 『正法眼蔵』「袈裟功徳」巻

日本曹洞宗では、江戸時代に寂室堅光が『十善戒法語』を作って、在家化導に用いている。

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