【定義】
�／汗�とは、心が有為生滅する具体的な心であり、性が不変の真如実性であるとしている。そこで、心性が一如か二物で議論が分かれる。一如である場合には、本来的な心の活発な働きを意味しており、分別智としての心も、無分別智としての性も一如である。その時、これを本来の面目や、真性などと呼ばれる。しかし、二物である場合には、性は自心と没交渉の他の一物であるとされる。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では48巻、75巻本では42巻。寛元元年（1243）吉峰寺にて修行僧に示された。
【内容】
�｜羚颪任蓮△海痢嵜汗�」を一如とするか二物とするかで様々な議論があった。例えば、中国曹洞宗の洞山良价禅師には、以下のような問答が残されている。
この公案は、「説心説性」を何か思惟の対象として考えようとすることへの批判であり、あくまでも一切の思惟は説心説性の活発なる働きであることを示す公案である。
��道元禅師は、この洞山禅師の公案を取り上げながら、一方で以下のような見解を持っていた臨済宗楊岐派の大慧宗杲禅師を批判する。
ここには、心即性即説という道理に体達することが肝心であるのに、それらの分別心を投げ捨てることを強調し、説心説性すべきではないとしている大慧禅師を、道元禅師は以下のように批判する。
要するに、大慧禅師が、心の働きを悟りもしない通常の分別心だとばかり考えているからこそ理解していないと批判されているわけである。心もまた無分別であり、性もまた無分別であり、或いは仏性仏心としての心性であれば一切が仏祖の大道である事実は疑いようもなくなるのである。
なお、道元禅師は『弁道話』に明らかなように、当初から心性一如説に立つ。
この一文は、『大乗起信論』の一節を受けて書かれたものであるが、道元禅師は心性と分けられる以前の「一心」を基に仏法を構築されている。
�／汗�とは、心が有為生滅する具体的な心であり、性が不変の真如実性であるとしている。そこで、心性が一如か二物で議論が分かれる。一如である場合には、本来的な心の活発な働きを意味しており、分別智としての心も、無分別智としての性も一如である。その時、これを本来の面目や、真性などと呼ばれる。しかし、二物である場合には、性は自心と没交渉の他の一物であるとされる。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では48巻、75巻本では42巻。寛元元年（1243）吉峰寺にて修行僧に示された。
【内容】
�｜羚颪任蓮△海痢嵜汗�」を一如とするか二物とするかで様々な議論があった。例えば、中国曹洞宗の洞山良价禅師には、以下のような問答が残されている。
神山僧密禅師、洞山悟本大師と行次に、悟本大師、傍院を指して曰く、「裏面に人有りて説心説性す」。僧密師伯曰、「是れ誰そ」。悟本大師曰、師伯に一問せられて、直に去死十分なることを得たり。僧密師伯曰、「説心説性底は誰そ」。悟本大師曰、「死中に活を得たり」。
この公案は、「説心説性」を何か思惟の対象として考えようとすることへの批判であり、あくまでも一切の思惟は説心説性の活発なる働きであることを示す公案である。
��道元禅師は、この洞山禅師の公案を取り上げながら、一方で以下のような見解を持っていた臨済宗楊岐派の大慧宗杲禅師を批判する。
後来径山大慧禅師宗杲といふありていはく、いまのともがら、説心説性をこのみ、談玄談妙をこのむによりて、得道おそし。ただまさに心性ふたつながらなげすてきたり、玄妙ともに忘じきたりて、二相不生のとき、証契するなり。
ここには、心即性即説という道理に体達することが肝心であるのに、それらの分別心を投げ捨てることを強調し、説心説性すべきではないとしている大慧禅師を、道元禅師は以下のように批判する。
これによりて、心はひとへに慮知念覚なりとしりて、慮知念覚も心なることを学せざるによりて、かくのごとくいふ。性は澄湛寂静なるとのみ妄計して、仏性法性の有無をしらず、如是性をゆめにもいまだみざるによりて、しかのごとく仏法を僻見せるなり。
要するに、大慧禅師が、心の働きを悟りもしない通常の分別心だとばかり考えているからこそ理解していないと批判されているわけである。心もまた無分別であり、性もまた無分別であり、或いは仏性仏心としての心性であれば一切が仏祖の大道である事実は疑いようもなくなるのである。
しかあれば、説心説性は仏道の正直なり。杲公この道理に達せず、説心説性すべからずといふ、仏法の道理にあらず。
なお、道元禅師は『弁道話』に明らかなように、当初から心性一如説に立つ。
しるべし、仏法に心性大総相の法門といふは、一大法界をこめて、性相をわかず、生滅をいふことなし。菩提涅槃におよぶまで、心性にあらざるなし。一切諸法、万象森羅、ともにただこれ一心にして、こめずかねざることなし。このもろもろの法門、みな平等一心なり。あへて異違なしと談ずる、これすなはち仏家の心性をしれる様子なり。
この一文は、『大乗起信論』の一節を受けて書かれたものであるが、道元禅師は心性と分けられる以前の「一心」を基に仏法を構築されている。
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