【定義】
万仭道坦が記した、禅戒論を展開する著作、詳しくは『仏祖正伝禅戒鈔』という。全1巻、宝暦8年(1758)自序刊。
【内容】
本書の内容だが、宗門所伝の禅戒については、道元禅師の『教授戒文』で明らかにされたところであるが、更に経豪の『梵網経略抄』にも、『梵網経』の抄と『教授戒文』の抄とを挙げている。よって、道元禅師の真意を知るために、万仭は『梵網経略抄』の中から、『教授戒文』の抄だけを採り上げ、更に、その脇に経論の所説を引いて、その意を明らかにした。これで、祖意の戒義を発揮しようとしながら、更に経論の意も明らかにしようとしたものが本書である。また、この著作は、全て引用文で構成されており、万仭の私意を挟んでいないという点で評価されることがある。
冒頭には、「或問」4問が収録されているが、これは禅戒や室内に関する基礎的な問答であり、当時の宗侶の関心を知る好材料となっている。
宝暦8年の刊本は、様々な点で問題があったため、丘宗潭?は本来の『梵網経略抄』を合わせて校訂し、『改訂仏祖正伝禅戒鈔』とした。なお、この改訂版には西有穆山?や、丘宗潭、或いは岸澤惟安などによる講話が残されている。
テキストは、『大正蔵』巻82、『曹洞宗全書』「禅戒」巻で見ることが出来る。
【解説書・提唱録】
・丘宗潭、岸澤惟安?『改訂仏祖正伝禅戒鈔講話』(全4巻)鴻盟社・1984年5月
・余語翠巖?『禅の十戒―『禅戒鈔』講話』地湧社・1991年8月20日
万仭道坦が記した、禅戒論を展開する著作、詳しくは『仏祖正伝禅戒鈔』という。全1巻、宝暦8年(1758)自序刊。
【内容】
本書の内容だが、宗門所伝の禅戒については、道元禅師の『教授戒文』で明らかにされたところであるが、更に経豪の『梵網経略抄』にも、『梵網経』の抄と『教授戒文』の抄とを挙げている。よって、道元禅師の真意を知るために、万仭は『梵網経略抄』の中から、『教授戒文』の抄だけを採り上げ、更に、その脇に経論の所説を引いて、その意を明らかにした。これで、祖意の戒義を発揮しようとしながら、更に経論の意も明らかにしようとしたものが本書である。また、この著作は、全て引用文で構成されており、万仭の私意を挟んでいないという点で評価されることがある。
冒頭には、「或問」4問が収録されているが、これは禅戒や室内に関する基礎的な問答であり、当時の宗侶の関心を知る好材料となっている。
宝暦8年の刊本は、様々な点で問題があったため、丘宗潭?は本来の『梵網経略抄』を合わせて校訂し、『改訂仏祖正伝禅戒鈔』とした。なお、この改訂版には西有穆山?や、丘宗潭、或いは岸澤惟安などによる講話が残されている。
テキストは、『大正蔵』巻82、『曹洞宗全書』「禅戒」巻で見ることが出来る。
【解説書・提唱録】
・丘宗潭、岸澤惟安?『改訂仏祖正伝禅戒鈔講話』(全4巻)鴻盟社・1984年5月
・余語翠巖?『禅の十戒―『禅戒鈔』講話』地湧社・1991年8月20日
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