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【定義】

道元禅師の撰述とされたが、江戸時代の段階で偽撰だと判断された和歌集で、内容は仮名法語といえる。いろは四十八字に因んだ和歌と、一から億までの数字の和歌を加えて編集されている。なお、各和歌には註釈が付記されている。名称は、『道元和尚伊呂波歌抄』『永平道元禅師伊呂葉歌』『道元和尚伊呂波歌』などがある。江戸時代には写本で各種伝わっているが、天和3年(1683)に刊行された本や、貞享元年(1684)(ただし、面山禅師は寛文9年[1669]に刊行されたともする)に『大灯国師養牛軽吟歌』と合冊刊行された本などがあり、後には永久岳水先生編『禅門曹洞法語全集?』乾巻や、『続曹洞宗全書』「注解?一」巻などに収録されて、閲覧は容易である。

【内容】

本書については、江戸時代の段階で批判があり、特に強い批判を行ったのは面山瑞方禅師である。
印版流布する伊呂波歌、もと寛文九年に、済洞両家道歌と題して一冊印版して、済家は大灯国師の名を出し、洞家は永平祖を名とせり、余紫野の有徳に質せしに、大灯の歌にあらず偽作なり、もとより永祖の歌も偽作なり、それを不知して鈔作て印版するは、洞家の暗昏と云べし。 『訂補建撕記』坤巻・39丁表

更に、以下のような注意もされている。
向に好事者有りて、済洞の道歌一冊を新出して、中に道元和尚伊呂波歌なるものを載す、蓋し贋詠なり。後人、弁えず更に蛇足を加ふ。但だ古徳を軽弄するのみに匪ず、且く後生を欺瞞す。系孫と為る者、弁ぜずして止むべきかな。是の故に語を附して人に告ぐ、具眼、須く必ず点頭すべし。 方杜多謹識 『傘松道詠聞記?

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