【定義】
日本曹洞宗の太祖である瑩山紹瑾禅師による古則拈提の記録であるともされたが、中世の「抄物」の1つである。全2巻。
【内容】
『報恩録』は、巻首に「五十四世瑩山比丘某甲紹瑾撰」と記され、更に、最後にも「洞谷山永光寺五十四世瑩山比丘紹瑾老衲註却之、末代為児孫者也、深可秘可秘」と記されていて、いわゆる室中にて師資が密かに受け伝える宗旨参得のためのテキストであった。内容は、上下巻各各81則の古則に対して、「抄云」「註云」と、その註解を行っている。
例えば、上11則は「永平身心脱落」であるけれども、本則として、いわゆる道元禅師の身心脱落話を挙げて、それに以下のように註釈される。
しかしながら、このような方法による註釈は、後代の「抄物」に近い内容であるとも見られ、瑩山禅師親撰説には異論もある。例えば、『常済大師全集』の解題では、江戸時代初期とも推定している。現在このテキストは、『曹洞宗全書』「宗源(下)」巻、『常済大師全集』で見ることが可能である。
日本曹洞宗の太祖である瑩山紹瑾禅師による古則拈提の記録であるともされたが、中世の「抄物」の1つである。全2巻。
【内容】
『報恩録』は、巻首に「五十四世瑩山比丘某甲紹瑾撰」と記され、更に、最後にも「洞谷山永光寺五十四世瑩山比丘紹瑾老衲註却之、末代為児孫者也、深可秘可秘」と記されていて、いわゆる室中にて師資が密かに受け伝える宗旨参得のためのテキストであった。内容は、上下巻各各81則の古則に対して、「抄云」「註云」と、その註解を行っている。
例えば、上11則は「永平身心脱落」であるけれども、本則として、いわゆる道元禅師の身心脱落話を挙げて、それに以下のように註釈される。
抄云、道元和尚宋時入唐而先掛搭天童如浄和尚家裏、其時之事也、驀夜半に大衆睡眠深時分、当竹箆様たぞ。さて身心脱落とは化身本身を忘じて突くと坐禅一片の時、虚空も一枚にして、内外皮肉は無也、身心打成一片とも云也、時坐者混沌未分久遠の先に坐断よ。〈以下略〉 『常済大師全集』518頁
しかしながら、このような方法による註釈は、後代の「抄物」に近い内容であるとも見られ、瑩山禅師親撰説には異論もある。例えば、『常済大師全集』の解題では、江戸時代初期とも推定している。現在このテキストは、『曹洞宗全書』「宗源(下)」巻、『常済大師全集』で見ることが可能である。
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