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【定義】

夜寝る時に用いる枕のこと。両祖の時代は木橋枕と呼ばれる形状であったとされる。
天竺様の枕は、袋を長く作り、内に柔かなるものをいれて、幾重にもたたむ。『南海寄帰伝』に出たり。『永規』に、「潜把枕子安函櫃前、莫得響摺」とあるは、それにはあらず。木橋枕とて、脚をたたむ様に作る。古支那の行脚僧は蓄ふ。今時の箱枕木枕は、弥音せぬ様に心をつくべし。 面山瑞方禅師洞上僧堂清規行法鈔』巻1「日分行法次第教訓」

【内容】

道元禅師は枕について次のように示している。
潜かに枕子を把って函櫃の前に安じ、響かし摺むことを得ること莫かれ。 『弁道法

なお、瑩山禅師は以下のように示されている。
首座は、先に起き、枕子を畳んで之を鳴らす。大衆、之を聞きて、一時に起きて打坐す。 『瑩山清規』「日中行事」

つまり、道元禅師も瑩山禅師も、ともに「枕子をたたむ」ことを示しているのである。瑩山禅師に至っては、大衆よりも先に起きた首座が、枕を畳む時に音を出して他の大衆が起きる合図にしていたという。また寝ることを「開枕」というが、そこにも枕の形状が関わっている可能性がある。そこで、その枕の形状に興味が持たれるが、先に引いた面山禅師の指摘のように「木橋枕」であったと思われ、その典拠としては、中国の睦庵善卿によって11世紀末から12世紀初頭に著された『祖庭事苑』巻8である。

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