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【定義】

大乗仏教の空思想に由来する禅宗の戒で、特に六祖慧能が衆生に授けていた。なお、無相戒は心地戒でもあるため、無相心地戒(心地無相戒)などとも呼称される。
謂わく戒は、是れ防非止悪坐禅は挙体無二と観ず、万事抛下して、諸縁を休息して、仏法世法を管せず、道情世情双べ忘じて、是非無く善悪無し。何の防止か之れ有らんや。此は是、心地無相戒なり。 『坐禅用心記

【内容】

禅宗では一般的に、六祖慧能が授けていた戒を「無相戒」と呼称しているが、『六祖壇経』の記載上はやや曖昧ではある。
善知識よ、今、四弘願を発し了んぬ、更に善知識の与に、無相三帰依戒を授く。 『六祖壇経』「懺悔第六」

以上の通り、『六祖壇経』に見える「無相戒」は三帰依である。しかし、一方で以下のようにもある。
韶州刺史韋拠請して、大梵寺に妙法輪を転じ、并びに無相心地戒を受く。 『景徳伝灯録』巻5「第三十三祖慧能大師」章

実際の「無相戒」とは空思想に由来する戒ということであると思われ、以下の指摘もある。
無相を体と為すは、大戒を尊ぶなり。無念を宗と為すは、大定を尊ぶなり。無住を本と為すは、大慧を尊ぶなり。夫れ戒定慧は、三乗の達道なり。夫れ妙心は、戒定慧の大資なり。一妙心を以て三法を統べる、故に大と曰うなり。無相戒とは、戒、其れ必ず正覚なり。 契嵩『六祖大師法宝壇経賛』

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