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【定義】

2人の祖師のこと。二祖ともいう。特に日本曹洞宗の場合は、高祖承陽大師太祖常済大師をもって両祖と定めているが、伝統的には様々な組み合わせがあり、達磨大師と百丈禅師、達磨大師とその寺の開山、達磨大師と道元禅師などもあった。

【内容】

曹洞宗は、江戸時代まで両祖の概念が存在しなかった。しかし、両大本山の融和によって発足した曹洞宗務局?を中心とする近代教団では、明治8年の「第一回末派総代議員会議(現在の曹洞宗宗議会)」において、「一仏両祖」の原型が提示された。そして、翌年に公布された「曹洞宗教会条例」によって、「一仏両祖」を中心に宗派の安心を定める動きが強まり、明治10年に「兩祖御稱號一定ノ件」が宗務局から布達(明治10円10月20日、布達第22号)された。そして、この段階で勅賜されていた諡号(大師号はなく、禅師号・国師号のみ)を用いて両祖の呼称を定めた。

高祖仏性伝東国師
太祖弘徳円明国師

略号も定められた。

高祖国師
太祖国師

ただし、この時、政府や他宗派に向けて情報を発する際には、諡号のみだと分かりにくいということで、両祖の名前も付記された。

曹洞高祖仏性伝東国師永平道元大和尚
曹洞太祖弘徳円明国師總持瑩山大和尚

そして、上記内容について、その後、明治13年と同42年に、両祖に大師号が勅賜され、呼称が変化した。

高祖仏性伝東国師承陽大師
太祖弘徳円明国師常済大師

上記の通り、一時的には国師号・大師号をともに呼称することが求められたが、余りに煩雑になったのを嫌い、また、瑩山禅師600回大遠忌であった大正14年に「兩祖御稱號ノ件」が改正され、宗達(大正14年4月1日、宗達甲第2号)された。

両祖の御称号は従来国師号と大師号と両号を連続して唱へ奉るべき規定の処、爾今左の通、大師号のみを唱へ奉るべし
高祖 承陽大師
太祖 常済大師
前項の御称号奉唱は両祖忌・両祖降誕会等の疏文・回向文例に於ても亦同様とす

結果として、現在でも一般的に用いられる呼称が定まった様子が理解出来る。

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