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【定義】

洒は注ぐの意。よって、洒水とは水を注ぐこと。また、「灑水」とも表記する。行持において、道場を浄めたり、智慧を水に托して四方に渡らせるなどの意義があるとされる。その際には、主として真鍮などで出来た洒水器に水を入れ、洒水枝でもって注ぐ。
在家よりきたれらん菜果等、いまだきよめずば、洒水して行香し行火してのちに、三宝衆僧にたてまつるべし。 『示庫院文

【内容】

道元禅師が示した洒水の作法は、極めて簡潔である。
然る後に、松枝を把りて、而して順に器の水を旋転すること三反し、右の頭指・大指を屈して以て、松枝の本端を把りて以て、無名指、之を進む。先ず自頂に三反灑ぎ、次に受者に三反灑ぐ。次に右辺に三反灑いで四恩に報答し、次に左辺に三反灑いで一切衆生に利潤するなり。次に松枝の柄を水器の内にす。 『仏祖正伝菩薩戒作法

今では洒水時に様々な陀羅尼や偈文なども唱えるともされるが、そういう儀礼は記されておらず、恐らくは行っていない。ただし、瑩山禅師は洒水の作法を簡潔に示されている中で、手の印や陀羅尼などに言及される。
灑水呪の時、先ず右手で水印を作す。いわゆる大拇指、之を握り、四指並立す。七遍の加持の間、三遍の後に右手で溝萩を取りて灑水すべし。 禅林寺本『瑩山清規』「施餓鬼供」

そして、江戸時代の学僧面山瑞方師は自身の親族に密教僧がいたこともあって、施食作法について校正し、『施餓鬼作法』一巻を著すなどして、積極的に密教儀礼の導入を図っている。その影響で、現在まで参照されるような室内の儀礼も整備されたものであろう。

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