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【定義】

三毒のこと。衆生にとっての根本煩悩とされる。

貪:むさぼり
瞋:怒り
痴:愚かさ

【内容】

道元禅師が晩年に永平寺で行った説法に、貪瞋痴の三毒に関するものがあるので、見ておきたい。

 上堂に、云く。
 三世諸仏、諸代祖師、一切の人天大衆の為に施設する一法有り。謂く、「生死長、生死短なり。若し貪瞋痴に依らば、即ち生死長なり。若し戒定慧に依らば、即ち生死短なり」。
 爾の時、仏前に徳女有り、仏に白して言く、「世尊、貪瞋痴、何に依りてか有なる」。
 仏、徳女に告ぐ、「無明に依りて有なり」。
 徳女言く、「若し貪瞋痴、無明に依りて有らば、諸法、皆な有なり」。
 仏、徳女に告ぐ、「汝の言う無明、内有か、也た不か」。
 女言く、「不なり」。
 仏言く、「外有か、也た不か」。
 女言く、「不なり」。
 仏言く、「非内外有か、也た不か」。
 女言く、「不なり」。
 仏言く、「是の如く有なり」。
 如来世尊、既に恁麼に道う、永平雲孫、道わずんばあるべからず。今日、徳女有りて永平に問う、「無明、何処に在りや」。祗だ伊に向かいて道わん、「直饒、無明の依処を認得すれども、未だ永平の払子を免れず」。
    『永平広録』巻7-479上堂

これは、建長3年12月中旬〜4年1月上旬くらいまでの間に行われたと推定される上堂である。道元禅師が引用された世尊と徳女との問答は、『有徳女所問大乗経』に見られるもので、更に『大智度論』巻6。永明延寿『宗鏡録』巻38・77などに引用されたものであるが、それらは全て、世尊と徳女の問答の発話者が入れ替わり、徳女が世尊に対して内有・外有等を尋ねている。なお、天台智據慄琺纏澳僉抓5上に引用されたものは、道元禅師の内容と同じ発話者となるため、同テキストを参照されつつ、若干の改変を行われたものか。

上掲の上堂の内容から、道元禅師は貪瞋痴が無明に依拠することを示しつつも、その無明の在処について分別的に把握することの全てを退けたことが分かる。

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