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【定義】

日本曹洞宗では、本尊釈迦牟尼仏と定め、高祖承陽大師永平道元禅師と、太祖常済大師瑩山紹瑾禅師両祖として尊崇しており、総じて一仏両祖と呼ぶ。または、三尊とも称する。

【内容】

曹洞宗では、江戸時代初期の元和元年(1615)に徳川家康の法度に基づき、いわゆる両大本山が確定したけれども、各々の開山である道元禅師と瑩山禅師を併記する習慣は定められなかった。なお、瑩山禅師を太祖と呼ぶようになるのも、明治時代に入ってからである。

明治維新期、曹洞宗では永平寺が総本山を目指す中で、總持寺はそれを止めようとした。結果的に明治5年(1873)に両山盟約が成立して、その後、明治8年には第一回末派総代議員会議(後の曹洞宗宗議会)が開催された。一仏両祖の概念は、同会議中「第一号議案 宗教恢張之事」において初めて、「世尊及両祖の深恩に感ぜしめ」という付帯条件が決議されたところに見ることが出来る。

そして、その翌年に交付された「曹洞宗教会条例」において、「釈迦牟尼仏は法界の教主なり。高祖国師・円明国師は本宗の開祖なり」(第五條・第一款)と明記されて、いわゆる「一仏両祖」という位置付けが宗門全般に広げられていったのである。更に、宗派内に複数成立した曹洞教会会衆のために編集された辻顕高著『曹洞教会説教指南』(全三篇、曹洞宗大教院・明治13年)でも、一仏両祖という位置付けは強調された。

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