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【定義】

面山瑞方師が、卍山本『永平広録』から学人修行に必要と思われる章句を抜き出して編集された著作。詳しくは『永平祖師家訓綱要』『永平家訓綱要』という。現在は、『続曹洞宗全書』「法語」巻で見ることが出来る。

【内容】

道元禅師が遷化されてから長い期間を経ていた江戸期の曹洞宗では、宗師家がそれぞれ独自の見解でもって宗風を展開したため、その乱れが著しかった。そこで、面山瑞方師は、道元禅師の語録である『永平広録』から、適宜章句を125則抜き出し、上下2巻に編集して、学人の修行に寄与ならしめようとした。家訓とは、叢林に於ける随時の教えを意味する。

同著は元文3年(1738)に編纂され、翌4年に刊行された。そして、面山師自身で『永平家訓』に収録された語句について、その出典を漢文体で明示した『永平家訓典曩』(全2巻)を著しており、こちらは明治中期になって刊行されている。

『永平家訓』の内容は全八章であり、発心出家訓・仏祖正宗訓・諦信因果訓・通達修証訓・揀辨邪見訓・正伝三昧訓・格外玄旨訓・知恩報恩訓となっている。

【解説書等】

總持寺独住3世である西有穆山禅師(1821〜1910)は、『永平家訓』を提唱され、富山祖英師が口述筆記していた『永平祖師家訓私記』が存在(東京都玉宗寺蔵)し、西有禅師が開山である西有寺?開創100周年を記念して『永平家訓私記』(全1巻)として刊行されている。

また、『澤木興道全集』(大法輪閣)の第3巻に「永平家訓抄話」が収録されている。

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