つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉

【定義】

我心を宗旨の本源とする宗派のことであるが、実際に存在したかは不明。道元禅師が、『正法眼蔵』「仏道」巻にて、宗派名を否定するために仮に使った名前とされる。

おほよそ世尊在世、かつて仏宗?と称しましまさず、霊山宗?と称せず、祇園宗?といはず、我心宗といはず、仏心宗といはず、いづれの仏語にか仏心宗と称する。いまの人、なにをもてか仏心宗と称する。世尊、なにのゆえにか、あながちに心を宗と称せん、宗、なにによりてか、かならずしも心ならん。もし仏心宗あらば、仏身宗?あるべし、仏眼宗?あるべし、仏耳宗?あるべし、仏鼻舌等宗?あるべし、仏髄宗・仏骨宗?・仏脚宗?・仏国宗?等あるべし、いまこれなし。しるべし、仏心宗の称は偽称?なり、といふこと。　『正法眼蔵』「仏道」巻