【定義】
還源も返本も、元に返ること、の意。転じて、外に流転しようとする心の働きを留めて、内なる本源に返すような坐禅観をいう。道元禅師は宋朝禅者の中に、このような坐禅観の者がいるとし、その妙用のない様子を批判した。
還源も返本も、元に返ること、の意。転じて、外に流転しようとする心の働きを留めて、内なる本源に返すような坐禅観をいう。道元禅師は宋朝禅者の中に、このような坐禅観の者がいるとし、その妙用のない様子を批判した。
あはれむべし、十方の叢林に経歴して一生をすごすといへども、一坐の功夫あらざることを。打坐すでになんぢにあらず、功夫さらにおのれと相見せざることを。これ坐禅の、おのが身心をきらふにあらず、真箇の功夫をこころざさず、倉卒に迷酔せるによりてなり。かれらが所集は、ただ還源返本の様子なり、いたづらに息慮凝寂の経営なり。観練薫修の階級におよばず、十地・等覚の見解におよばず、いかでか仏仏祖祖の坐禅を単伝せん。宋朝の録者、あやまりて録せるなり、晩学、すててみるべからず。 『正法眼蔵』「坐禅箴」巻
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