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【定義】

中国で栄えた禅宗の5つの宗派のこと、五宗五門
ときに、六祖に二位の神足ありき、南嶽の懐譲と青原の行思となり。ともに仏印を伝持して、おなじく人天導師なり。その二派の流通するに、よく五門ひらけたり。いはゆる、法眼宗・潙仰宗・曹洞宗・雲門宗・臨済宗なり。見在大宋には臨済宗のみ天下にあまねし。五家ことなれども、ただ一仏心印なり。 『弁道話

【内容】

中国で栄えた五家について、以下の5宗派が知られている。

・法眼宗 派祖:法眼文益
・潙仰宗 派祖:潙山霊祐と仰山慧寂
・曹洞宗 派祖:洞山良价と曹山本寂だが、詳細は【日本曹洞宗】項参照のこと
・雲門宗 派祖:雲門文偃
・臨済宗 派祖:臨済義玄

道元禅師の五家批判】

道元禅師は、このような五家について、『正法眼蔵』「仏道」巻にて批判している。それは、同巻に於いて、様々な宗派が出来たことを批判しているからである。
しかあればすなはち、大宋国の仏法さかりなりしときは、五宗の称なし、また、五宗の称を挙揚して家風をきこゆる古人、いまだあらず。仏法の澆薄よりこのかた、みだりに五宗の称あるなり。これ、人の、参学おろかにして、弁道を親切にせざるによりて、かくのごとし。雲箇水箇、真箇の参究求覓せんは、切忌すらくは、五家の乱称を記持することなかれ、五家の門風を記号することなかれ。 「仏道」巻

ただし、以上の見解は、あくまでも全道の仏法という立場からの批判であり、歴史的な事実としての五家まで批判しているわけではない。先に挙げた『弁道話』の記述にも見えることであるし、以下の記述も見逃すべきではない。
ときに道元、宗月首座にとふ、和尚、いま五家宗派をつらぬるに、いささか同異あり、そのこころいかん。西天より嫡嫡相嗣せられば、なんぞ同異あらんや。宗月いはく、たとひ同異はるかなりといへども、ただまさに雲門山の仏はかくのごとくなる、と学すべし。 『正法眼蔵』「嗣書」巻

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