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【定義】

食事の際に、匙で食べる最初の三口の意義を偈文にして唱えている。断悪・修善・度衆生と「三聚浄戒」の内容に対応している。なお、現在の曹洞宗では、「家偈」として立項されている。

【内容】

「三匙偈」として古い形は、南山道宣の文献に掛かるものと思われる。
伝に云わく、凡そ食するに三匙を過ぎることを得ざれ。為断一切悪故進初匙、為修一切善故進中匙、為度一切衆生故進後匙、乃至回向仏道進余菜茹等。 『四分律刪繁補闕行事鈔』巻下二

そして、現在の曹洞宗で用いられているのは、『諸回向清規』に掲載されているものである。大乘寺の『椙樹林清規』巻上「僧堂行鉢式」項では「三口偈」として引用される。また、同文を引いた面山瑞方禅師は『洞上僧堂清規行法鈔』巻1「食時諸偈」項で『摩得伽論』を典拠としているが、詳細は不明。
三匙〈三匙或いは三口と謂う〉、一口為断一切悪、二口為修一切善、三口為度諸衆生、皆共成仏道。 『諸回向清規』巻5

それから、他の宗派の事例として、以下の数点も挙げておく。
為断一切悪、初匙 為修一切善、中匙 為度一切衆、後匙 回向大菩提、余英 仁空実導『新学菩薩行要鈔』

上記の影響を受けていると思われる文献として、日蓮宗系の文献を挙げておく。
三匙偈 為断一切悪、為修一切善、為度一切生、回向大菩提。 『草山清規』

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