曹洞禅・仏教に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々について管理人が研究した結果を簡潔に示しています。曹洞禅・仏教に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

蘭陵越宗が記した、禅戒論を展開する著作。全1巻、寛政11年(1799)刊。

【内容】

この著作は、蘭陵が安永2年(1773)11月に、越後村岡の徳昌寺の授戒会に於いて撰述し、完戒の日に自ら序を付して、法嗣の竹庵に付与したものである。最初は室中に秘蔵されていたようだが、伝写の間に錯誤を生ずることを懸念した竹庵が、寛政11年に跋文をしたためて、上梓した。

内容だが、日本曹洞宗では、中世以来禅戒が衰微し、室内授戒伝戒)以外に禅戒が強調されることが乏しかったことを憂えた蘭陵が、その本師である無隠道費?に参じて得た正伝仏戒を披露して、この普説を撰述している。なお、説戒としては、総説・焼香礼仏懺悔、そして三帰三聚浄戒十重禁戒と進み、いわゆる十六条戒について諸法実相の立場から戒義を述べている。

ただし、内容には、例えば終盤に於いて、衆生の機根によっては、坐禅以外に念仏も勤めるべきだともされたり、或いはそれらの坐禅や念仏は、見性を期するものだとするなど、問題もあるとされる。現在このテキストは、『曹洞宗全書』「禅戒」巻にて見ることが可能である。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます