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【定義】

指月慧印が記した、禅戒論を展開する著作。全1巻、元文2年(1737)に序が書かれた刊本がある。著作自体は、享保20年(1735)に書かれたものである。

【内容】

この著作は、江戸時代の学僧である指月慧印が、享保20年に撰述したもので、戒源・得戒・伝持・戒次・戒伝・戒義・勧戒・受法・修懺・戒蔵という10章から成り立っている。

初めの戒源では、禅戒は信が基本であると述べており、続く得戒では自誓受戒を否定し、正師に就いて受戒すべきであるとされている。伝持・戒次では、三帰三聚浄戒十重禁戒を護持すべきであるとされ、その関係が宗門独自の相即的論理を用いて語られている。また、戒伝では、歴代の仏祖が明らかに嫡嫡相承してきたのが、宗門の禅戒であるとされ、戒法の相伝には、仏祖の印証によるとされた。戒義では、十六条戒の意義が『教授戒文』の所説に基づいて説かれており、この章が本書の中心をなすものである。

江戸時代の禅戒論は、卍山に始まるが、その後指月面山の頃に到って、同時代的に宗門参究が進んでいく様子をうかがえるとして、本書は注目される。現在このテキストは、『曹洞宗全書』「禅戒」巻にて見ることが可能である。

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