【定義】
��祖師である達磨大師が、インドから中国に渡来した真意ということ。古来から禅門では、この言葉は公案として参究されるべきものだとされて、繰り返し採り上げられた。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では67巻、75巻本では62巻。寛元2年（1244）2月4日、越前の深山裡（奥書からは具体的な場所は不明だが、年代的には吉峰寺だと思われる）にて示衆された。
【内容】
�‖燭�の禅僧が、この「祖師西来意」について問答しているけれども、例えば中国禅宗の趙州従諗には、様々な答えがある中で、以下の問答は夙に有名である。
他にも、多くの問答があるが、総じて答えとしていわれるのは、達磨大師が来ても来なくても、既に仏法の的的は、人人の脚下にあり、それを照顧せよと示すものである。
��道元禅師は、数多ある「祖師西来意」を扱う公案の中で、特に香厳智閑の示衆を採り上げて提唱された。因みにその示衆とは次のようなものである。
これは、要するに、足も付けない、手もかけられないような高さにある樹に、歯を食いしばって付いている状態にある時に、もし「祖師西来意」を聞かれたらどうするのか、という公案である。道元禅師は、この公案について、まず多く採り上げられてきたけれども、まともな回答がなかったことを嘆いている。
そして、上記問答の一々の語句について、詳細に提唱されていくけれども、特に「口」が開けない状況であっても、十分に説法できるのだという説示は、非常に学ぶべき所が多い。
ここからすれば、口というのは、器官としての口に限定されず、法のあり姿である、一切の存在が口であり、それは同時に説法されている事実に他ならないというものである。説法が、音声だけに留まらないことは、曹洞宗的な文脈では「無情説法」として、多くの祖師が得意にしてきた説法であるけれども、同様の文脈の問答になっているのが、この巻の特徴であろう。
��祖師である達磨大師が、インドから中国に渡来した真意ということ。古来から禅門では、この言葉は公案として参究されるべきものだとされて、繰り返し採り上げられた。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では67巻、75巻本では62巻。寛元2年（1244）2月4日、越前の深山裡（奥書からは具体的な場所は不明だが、年代的には吉峰寺だと思われる）にて示衆された。
【内容】
�‖燭�の禅僧が、この「祖師西来意」について問答しているけれども、例えば中国禅宗の趙州従諗には、様々な答えがある中で、以下の問答は夙に有名である。
大師、因みに僧有りて問う「如何なるか是、祖師西来意」。師云く「庭前の栢樹子」。僧曰く「和尚、境を以て人に示すこと莫れ」。師云く「吾、境を以て人に示さず」。僧云く「如何なるか是、祖師西来意」。師云く「庭前の栢樹子」。 『正法眼蔵』「栢樹子」巻
他にも、多くの問答があるが、総じて答えとしていわれるのは、達磨大師が来ても来なくても、既に仏法の的的は、人人の脚下にあり、それを照顧せよと示すものである。
��道元禅師は、数多ある「祖師西来意」を扱う公案の中で、特に香厳智閑の示衆を採り上げて提唱された。因みにその示衆とは次のようなものである。
香厳寺襲燈大師〈大潙に嗣す、諱は智閑〉示衆に云く、人の、千尺の懸崖にして樹に上るが如き、口に樹枝を㘅み、脚は樹を踏まず、手は枝を攀じざるに、樹下に忽ち人有って問わん、如何なるか是れ祖師西来意、と。恁麼の時に当たって、若し口を開いて他に答えば、即ち喪身失命せん、若し他に答えずば、又、他の所問に違せん。恁麼の時に当たって、且く道え、作麼生か即ち得ん。時に虎頭照上座有り、衆を出でて云く、上樹の時は即ち問わず、未上樹の時、請う、和尚道え、如何。師、乃ち呵呵大笑す。
これは、要するに、足も付けない、手もかけられないような高さにある樹に、歯を食いしばって付いている状態にある時に、もし「祖師西来意」を聞かれたらどうするのか、という公案である。道元禅師は、この公案について、まず多く採り上げられてきたけれども、まともな回答がなかったことを嘆いている。
而今の因縁、おほく商量・拈古あれど、道得箇まれなり。おそらくはすべて茫然なるがごとし。
そして、上記問答の一々の語句について、詳細に提唱されていくけれども、特に「口」が開けない状況であっても、十分に説法できるのだという説示は、非常に学ぶべき所が多い。
口㘅樹枝。いかにあらんかこれ口。たとひ口の全闊全口をしらずといへども、しばらく樹枝より尋枝摘葉しもてゆきて、口の所在しるべし。しばらく樹枝を把拈して、口をつくれるあり。このゆえに、全口是枝なり、全枝是口なり、通身口なり、通口是身なり、樹自踏樹、ゆえに脚不踏樹といふ、脚自踏脚のごとし。
ここからすれば、口というのは、器官としての口に限定されず、法のあり姿である、一切の存在が口であり、それは同時に説法されている事実に他ならないというものである。説法が、音声だけに留まらないことは、曹洞宗的な文脈では「無情説法」として、多くの祖師が得意にしてきた説法であるけれども、同様の文脈の問答になっているのが、この巻の特徴であろう。
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