曹洞禅・仏教に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々について管理人が研究した結果を簡潔に示しています。曹洞禅・仏教に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

明治期に刊行された瑩山紹瑾禅師の伝記である。博多市(現在の福岡市)明光寺前住職の遠孫比丘宝山梵成老師による編輯で、明治26年9月に「東京書肆森江出版」から刊行されている。和文を基本とした瑩山禅師伝に、図会が入り、巻尾には能登(現在の石川県輪島市内)の「曹洞宗大本山總持寺全図」(後の總持寺祖院)が収録されている。なお、題名からも分かる通り、本書刊行の段階では、まだ大師号を賜っておらず、国師号のみを用いている。

【内容】

本書の目録は以下の通りとなっている。

・太祖弘徳円明国師真像
・叙(森田悟由禅師)
・叙(畔上楳仙禅師)
・御父母嘗て一子なきことを憂ひたまふ事
・御母君法を聞たまひて放生を行はせらるる事
・国師御誕生の事
  附 御母君瑞夢を感じたまふ事
・国師資性頴敏にましまして教へを侍ずして能く知りたまふ事
  附 仏教を崇敬したまふこと恰も宿習の如くなる事
出家の素志を遂げさせたまふ事
  附 専ら弁道修学に力を励したまふ事
・行脚遊歴したまひて諸方の感賞を蒙らせらるる事
・徹通介祖に帰省して益々勇猛に精進修行ましませしが遂に無上菩提道を証得したまふ事
・阿波国城満寺に赴きたまふ事
・介祖の命に依て大乗寺に帰りたまふ事
  附 富樫家尚に示したまへる法語
大乗寺の席を継せられて化益いよいよ煽なる事
・介祖の生前滅後共に厚く孝道を尽したまふ事
  并に一周忌の対真上堂に天花乱墜の感ある事
永光寺等の三刹に皆な開山始祖とならせたまひて門風大に扇ぐ事
・滋野信直の夫人平氏出家求法の事
  附 国師の御母君逝去したまふ事
羅漢供養を修したまふに尊者おのおの応現まします事
總持寺御創立の事
  附 定賢律師霊夢を感ぜらるる事
・後醍醐天皇より十種の疑問を垂たまふに国師の御奏対大に叡慮に愜はせられ勅して紫衣を賜ひ特に總持寺を陞て官寺となしたまふ事
・總持寺の放光菩薩?の霊夢に依て皇后御快く分娩したまふ事
  附 勅して總持寺を以て日本曹洞出世第一の道場に補せらるる事
・御入滅の事
・御諡号の事
・曹洞宗大本山總持寺全図

以上は、目録であるが、内容としては行年58歳説に則り、編集されている。なお、巻尾には「曹洞宗大本山總持寺全図」が収録されているが、既に五院が解体された後で、まだ全山焼失の前の様子が絵図にされている。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます