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【定義】

江戸時代の学僧、面山瑞方師が著した面授嗣法に関する著作。全1巻、多くの写本があり、また題名も多くのものが伝わり、『室内伝法密示儀軌』『室内伝法随聞記』『室内随聞記』『室中随聞記』『伝法室内密示』『室中密示聞記』などがある。本項目名に選んだ『伝法室内密示聞記』というのは、『曹洞宗全書』収録時の題名。

【内容】

本書は、宗門嗣法面授であることを強調し、道元禅師の『正法眼蔵』「面授」巻を仰ぎながら著された著作である。「面授」巻で道元禅師は、薦福承古が、雲門と面授せざるにその法を嗣いだと主張したことを批判しているが、それをもって、面山師は宗門の嗣法を面授に定めている。

なお、中国禅宗史では、曹洞宗系統になる大陽警玄−投子義青という師資は、面授ではなかったという説が一般的であるが、面山はそのような面授ではないとする史伝こそが誤りであると退けた。また、本書では、伝法の儀規作法についての詳述がされていることも特徴であり、特に現在の曹洞宗の伝法式は『伝法室内式』に依るが、その作法に対する口訣も合わせて書かれている。他にも、嗣法の際に伝授される法具や、三物に対する議論も詳しくなされており、まさに万仭師の『室内三物秘弁』と並んで重要である。特に峨山派に連なる宗侶は、参究すべきであろう。現在、このテキストは『曹洞宗全書』「室中」巻で見ることができる。

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