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【定義】

鈴木正三が著した、日常生活に即した仏教徒のあるべき姿を説いた著作。

【内容】

具体的には、以下の三部からなる。

・修行之念願
・三宝徳用
・四民日用

成立年代は「修行之念願」が慶安5年(1652)であり、「三宝徳用」が慶安3年(1650)であり、「四民日用」は武士日用のみ、寛永8年(1631)に和歌山で正三縁者の家で書いたという。ところが、開版が慶安2年のため、前者二論の著述年時には議論がある。

内容だが、一般に江戸時代の諸階級に於ける修行のありようを示したのは、最後の「四民日用」である。修行即仏行の考えを、それぞれの階級(士農工商)に当て嵌め、職業即仏行に昇華させたものである。正三独自の仏法世法観を知るために、重要である。

また、中村元博士は、正三の発想がマックス・ウェーバーのプロテスタンティズム分析と重なると評価される。一方で、当時の階級差別をそのまま無批判に受け容れていることについて、仏道者の平等観念に抵触するとの指摘もある(石川力山など)。

現在、テキストは山田・森校訂『禅門法語集(下)』、神谷・寺沢編『鈴木正三全集(上)』などで見ることが可能。

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