つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉

【定義】

「密かに付す」と読めるが、意味は、「親密に付す」こと。「秘密に付す」とは採らない。曹洞宗では『正法眼蔵』「密語」巻の影響で、そのような秘密の伝授を忌む。

如是の法、仏祖密に付す。汝今是れを得たり、宜しく善く保護すべし。　『宝鏡三昧』

この一節こそ、「秘密に」と解するか、「親密に」と解するかで全く意味合いが違う。前者であれば、「禅宗には秘密の教えがあるが、そなただけに授ける。これを護持しなさい」という意味になる。しかし、これではただの秘密結社である。後者は、「そなたは、親しく仏の教えを受けることとなった。大切に護持しなさい」という意味になり、万人に開かれた良い教えになる。

拈来拈去、出入同門に行履する、遍界不曾蔵なるがゆえに、世尊密語・密証明・密行・密付等あるなり。　『正法眼蔵』「行仏威儀」巻

このように、道元禅師も「遍界不曾蔵」の道理の下、「密語」「密証明」「密行」「密付」を説いている。