おほよそ西天・東地に仏法つたはるるといふは、かならず坐仏のつたはるるなり。それ要機なるによりてなり。仏法つたはれざるには、坐禅つたはれず、嫡嫡相承せるは、この坐禅の宗旨のみなり。この宗旨、いまだ単伝せざるは、仏祖にあらざるなり。この一法、あきらめざれば、万法あきらめざるなり、万行あきらめざるなり。 『正法眼蔵』「坐禅箴」巻