つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 園頭
【定義】

禅林が持つ荘園を管理する役目の僧侶で列職の一。特に、農作業を伴う役職であり、古来よりその道心の有無が問われる配役でもあった。また、道元禅師や良寛上人が優れた園頭の様子を伝えるなど、非常に印象強い配役でもある。
園頭の一職、最も難く極苦なり。道心有る者の勤め来たれる職なり。道心無き人、之の職に充てるべからず。常に菜園に在りて、随時に種栽す。仏面祖面、驢脚馬脚、農夫の如く田夫の如し。終日に鋤鍬を携え、而も自ら畊し自ら鋤き、屎を担い尿を担い、生根怕じず。唯だ熟爛を待つに時を失するべからずのみ。地を鋤き菜を種うるの時、裙・褊衫を著けず、袈裟・直裰を著けず、只だ白布衫中衣を著けるのみ。然而、公界諷経念誦上堂入室等の時、必ず来りて衆に随う。参ぜずんばあるべからず。菜園に在りては、朝晩に焼香礼拝念誦し、龍天土地回向す、曾て懈怠せざれ。夜間には菜園に眠息す。供過の人力、時に随いて替換す。是れ乃ち直歳の差排する所なり。誠に是れ道心の人、大名人の勤め来たれるものなり。小根の輩、不肖の族、未だ曾て充職せず。先師天童古仏の会、西蜀の老普、六旬余の齢に、始めて充職す。一会、替わらず、将に三箇年、雲水随喜す。先師、深く悦び、若し老普を以て諸山の長老に比すれば、諸山の長老、未だ普園頭に及ばず、と。 『永平寺知事清規』「園頭」項