つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 掩室
【定義】

室を閉じること。門を閉じて、誰とも会わないこと。類語で「釈迦の掩室」「摩竭掩室?」といえば、マガダ国内で成道された釈尊が、21日間(57日間とも)誰とも会わずに説法をしなかったことをいう。
直に是れ如来初めて成道する時、三七日に於いて、思惟して未だ説かず。如しくは掩室の門を開かざるに似たるなり〈此れ甚だ当たるのみ〉。大智論に云く、仏、初めて成道して、五十七日、法門を説かず。是れ掩室の義なり。 『肇論疏』巻3

この故事の意を転じて、この無言説のところに、説法が現れきっているともする。
おほよそ掩室坐夏、いかでか無言不説なりとせん。 『正法眼蔵』「安居」巻