【定義】
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菩薩の名前。常に大慈大悲をもって
十方国土に姿を現じ、
衆生を
教化する。
観世音菩薩、観音菩薩。
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道元禅師の『
正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では33巻、75巻本では18巻。仁治3年(1242)4月26日、宇治
興聖寺にて
示衆。
【内容】
�∨寨茵�観音は、
菩薩として、
如来とは区別されてしまうけれども、道元禅師は、同巻の冒頭にて、中国曹洞宗の薬山惟儼の法嗣同士である雲巖曇晟と道吾円智の
問答を
機縁として、観音とは仏に異ならないこと、そしてまさにこの十方世界そのものであることを示した。
道得観音は、前後の聞声、ままにおほしといへども、雲巌・道吾にしかず。観音を参学せんとおぼえば、雲巌・道吾のいまの道也を参究すべし。いま道取する大悲菩薩といふは、観世音菩薩なり、観自在菩薩ともいふ。諸仏の父母とも参学す、諸仏よりも未得道なりと学することなかれ。過去正法明如来なり。
このように、道元禅師は観音とは、今でこそ菩薩として世に救済を及ぼすが、「過去正法明如来」であるとするのである。同巻の主旨は、先に挙げた雲巖・道吾の問答の解釈であるけれども、それを通して、道元禅師はこの問答こそが、観音の真実相を最大限に表現したものだとして称讃するのである。