つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 亀鏡
【定義】

亀は、古代中国で、亀の甲羅を焼いて、その裂け目によって吉凶を占ったことを指し、鏡は、物事の美醜や是非を映し弁別することを指す。転じて、僧侶が守るべき戒法や規則のこと、亀鑑に同じ。また、それらを示した「亀鏡文」が『禅苑清規』に収録されており、瑩山禅師には自ら開山となった總持寺に対する『当寺開山十箇條之亀鏡』が残されている。
丹霞天然禅師は木仏をたく、是れこそ悪事と見えたれども、是れも一段の説法施設なり。この師の行状の記を見るに、坐するに必ず儀あり、立するに必ず礼あり、常に貴き賓客に向かふがごとし。暫時の坐にも必ず跏趺し、叉手す。常住物を守る事眼睛のごとくす。勤修するもの有れば必ず加す。小善なれども是れを重くす。常図の行状勝レたり。彼の記をとどめて今の世までも叢林の亀鏡とするなり。 『正法眼蔵随聞記』巻4-8