つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 空阿弥陀仏
【定義】

平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した僧侶の名前。この時代、空阿弥陀仏という名前で知られたのは、元々東大寺で三論教学を学んでいた明遍(1142〜1224)と、比叡山で修行した後に浄土教に帰依をし京都・法性寺(浄土宗西山禅林寺派)で活動した僧侶(1155〜1228)とがいたという。そして、道元禅師は空阿弥陀仏という僧侶について言及している。
伝へ聞く故高野の空阿弥陀仏は、元は顕密碩悳なりき。遁世の後、念仏の門に入つて後、真言師ありて来つて密宗法門を問ひけるに、彼の人答へて云く、「皆忘れをはりぬ。一事もおぼえず」とて答へられざりけるなり。 『正法眼蔵随聞記』巻3-9

この内容からすれば、高野山に蓮華三昧院を開いたという明遍のことを指しているのだろう。