つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 現成
【定義】

現前成就の略。それそのものが現れたとき、そこに一切がありのままに現れていること。

【内容】

道元禅師は、一切の存在が現成しているときは、それぞれ単独的存在であることを、『坐禅箴』にて明らかにしている。いわば、道元禅師の坐禅とは、この現成という機関そのものへの直観を含む。現成とは「現」そして「成」という2つのはたらきが不断に行われることである。単純な「現れ」と解釈することは出来ず、常にその現れの先験的過去をも直観しなくてはならない。
仏々の要機、祖々の機要不思量にして現じ、不回互にして成ず。不思量にして現ず、其の現、自ずから親しし。不回互にして成ず、其の成、自ずから証なり。其の現、自ずから親しし、曾つて染汚無し。其の成、自ずから証なり、曾つて正偏無し。 『正法眼蔵』「坐禅箴」巻