【定義】
初めて
晋山開堂を行う際に、
新命和尚が自分自身の
本師の名を天下に明かし、本師のために焚かれる香を「嗣承香」という。また、「
法嗣の香」とも表記される。
尚ほ神秘して平生卒に嗣承を顕はさず。終焉のきざみ法嗣の香を焼く。唯世間愛名を疎くするのみに非ず、又宗家の嘉名をも恐るるなり。 『伝光録』「第五十祖・天童如浄禅師」章
【内容】
現行の『
行持軌範』「
晋山開堂法?」を参照すると、晋山開堂の時に
新命は
登座し、
一仏両祖・
開山歴住・
檀信徒各家先祖代々などに
焼香した後、嗣承香を行う。その際に、新命は必ず懐中より香を出すとされる。また、後に
上堂を行う際にも同じように嗣承香を行うことが出来るが、2度目以降のことは「報恩香」と呼称される。