【定義】
江戸時代の学僧、
万仭道坦師が著した、室内三物に関する口訣を集成したもの。全1巻、明治期以降、数回にわたり刊行されている。
【内容】
本書は、万仭師が
宗門室内に伝わる『
嗣書』『
血脈』『
大事』の
三物に関する口訣を詳しく記したものである。
これら三物は、それぞれ宗門の
室中にて秘密裏に
師資相伝されていくものであり、その作り方、或いは思想的な意義などは、切紙を用いて伝授されるのが通例である。本書は万仭師が、宝暦年間(1751〜64)に、弟子達に対して室内に示したものであった。現在でも、室内三物を考察するには、まず基本とすべき文献である。
現在、このテキストは岸澤惟安師の校訂を経て『
曹洞宗全書』「
室中」巻で見ることができる。