つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 手磬
【定義】

お椀型の小さな鐘に、柄を付け、更に鳴らすための細い棒をひもで繋いだものを手磬(『行持軌範』では「手鏧」と表記)という。法要に於いて役目の者は、手磬を左手(厳密な決まりでは無いようだが、利き手の関係から左手で持つ場合が多い)で持ちながら、右手に持った細い棒で打ち鳴らす。なお、無著道忠『禅林象器箋』巻27「手磬」項では、日本に於ける「鈴」であるという見解に対し、形状の違いから否定している。
行者、手磬を鳴らし、維那出班し、念誦して云く…… 『勅修百丈清規』「達磨忌」項

また、面山瑞方禅師の見解も知られ、小磬を持って歩けるように紐を付けた様子が伝わる。
後の大衆九拝知殿大磬打は、堂司行者小磬を打はずにて、大磬にはあらず。底より紐をとをせし小磬を堂司行者が持て、維那に附てありく、これを手磬と云ふ。 『洞上僧堂清規考訂別録』巻6「仏祖会行法考訂」項