おほよそ而今の一段の仏儀、これ説法・転法の第一義諦、第一無諦なり、さらに無言説の証拠とすべからず。もしこれを無言説とせば、可憐三尺龍泉剣、徒掛陶家壁上梭ならん。 『正法眼蔵』「安居」巻
世尊摩竭陀国に在して、衆の為に説法す。是の時、将に白夏せんと欲して、乃ち阿難に謂って曰く、諸大弟子・人天四衆、我常に説法すれば敬仰を生ぜず。我、今、因沙臼室中に入って、坐夏九旬せん。忽ちに人有り来って問法するの時、汝、代わって我が為に説け、「一切法不生、一切法不滅」と。言い訖って室を掩って坐す。 「安居」巻