【定義】
現在の日本で、7月または8月の13日〜15日(この期間は、各地域・各寺院で違いがある)までの盂蘭盆や、他の定められた時期に、祖先の霊を祀る
精霊棚や
仏壇を、
僧侶が訪問して
読経供養すること。
【内容】
盂蘭盆会には
精霊棚(
盆棚)を設けて、供物を献じて
僧侶を招き
読経供養することは古来から行われてきたが、特に寺檀関係の中で各家々を僧侶が回るようになったのは、江戸時代のキリシタンの取り締まりから始まるという。
なお、これは
仏壇への読経供養とは別個に行われていたようで、現在でもお盆の期間中には、通常祀っている仏壇を閉じて
精霊棚だけにする(この風習がない地域もある)が、この辺にその名残が見える。また、曹洞宗での棚の作り方については「
お盆・盂蘭盆会−曹洞禅ネット」をご参照頂きたい(地域差や、各家での風習の違いがあるので、全部鵜呑みにはしないで欲しい)。
また、昨今の
日本曹洞宗では各寺院に檀信徒を集めて
盂蘭盆会の
法会を行い、棚経の代わりとすることも見える。しかし、これが従来の状況からして、正統な方法であるかどうかは、今後の行事の展開に依存するかと思われる。また、もし僧侶に棚経に来て貰った場合には、
布施や交通費が発生する。この布施によって、自らの一部を割いて僧侶を
供養する善行がなければ、意味が無い。