【定義】
尊宿に対する
仏事の一。尊宿の遺骸を浄め、納棺し龕に入れること。
【内容】
現在の『
行持軌範』では、
面山瑞方師の『
僧堂清規』巻5の影響を受けて次のような差定となっている。
まず、弟子や近侍・親類・法類などは、準備した香湯でもって遺骸を拭き浄め、剃頭した後で、新しい衣を着せて、
涅槃衣を着せて納棺するのである。その後、龕に納めて
寝堂の正面に安置する。棺の正面には一円相を画いて、正面の標識とし、龕に納める際には、
荘厳衣?袈裟をもって覆う。
龕前の卓には白打敷をかけて、卓上には華爐燭などを
如法に供え、
拄杖?・
払子などの法具も在世時のように置くべきだとされる。この準備が終われば、鐘を鳴らして大衆を集め、
両班などは自位に就き、弟子や法類は龕の背後に立つ。維那は入龕仏事師を拝請し、
法要を始める。
仏事師は、位に就けば拈香法語し、献茶湯を行ったのを見て、
維那は
念誦を唱える。
大衆は
合掌をしてこれを聞く。念誦は以下の通り。
切に以れば、善権普く示して、化跡を人天に分かち、妙体独り存して、玄機を仏祖に越ゆ。恭しく惟れば、新般涅槃当山●●世某甲大和尚、孤円の智月、俄に万水の光を収め、広大の悲乗、却って十方の感に応ず、瞻顔地無く、披志帰有り。是に清衆を集め、聖号を讃揚し、仰いで大衆を憑んで念ず。〈大衆は十仏名を唱える〉
十仏名終わって、維那は『大悲呪』を挙経し、また
回向は次の通り。
上来、聖号を称揚し、茶湯を献備し、諷経する功徳は、新般涅槃当山●●世某甲大和尚の為にし奉り、無生国中に妙覚荘厳せんことを、再び大衆を労して念ず。
大衆は
略三宝を唱え、普同三拝し
散堂。