つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 副住職
【定義】

一般的には、寺院後任住職?に当たる者が副住職と呼ばれることが多い。なお、「副住職」という名称は明治時代以降に一般化しており、特に明治9年(1877)に曹洞宗務局から発せられた普達に興味深い一節が知られる。
本年教部省乙第七号御達之儀は、諸宗一般へ関渉に付、各宗宗規に依り一寺に於て、住職・副住職両名差置候ても差支無之宗則も可有之候得、其当宗の如きは、開宗以来嫡々相承法脈を伝持し、住職は必ず一代の世牌を立て、聯綿相続の宗規にして、如何なる大叢林たるも単寮勤旧・執事・頭首等、夫々職掌を分ち寺務を輔翼せしめ候。宗祖の清規有之儀に付、住職の外、更に副住職を差置候ては、宗祖の家訓に相戻り候條、此旨心得違無之様可致候。尤も寺務多端の故を以て是非とも副住職差置度向は、地方庁へ出願以前其事故、詳細相認、本局へ可伺出候、此段為心得相達候事。 『曹洞宗務局普達全書』明治9年

以上の通り、政府の教部省の方針から、副住職については設置を認める方向で対応しようとしているが、あくまでも寺務多端の場合に限ろうとした様子が分かる。