此度、此身を救はずして、又何れの生を期すべきやと一筋に思ひ定めて信心堅固にして、仏道修行に進むべし。若輩にして此の意を得ざらん人は、出家して益あるべからず。出離の願力を以て修行せずんば、出家の名を得ると云とも、偏に仏法商人なるべし。 『麓草分』「剃髪受戒時可著心事」