つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 放生会
【定義】

供養のために、捕らえた生き物を池や野に放す法会のこと。思想的な基盤は五戒に含まれる不殺生戒、或いは曹洞宗では「梵網経、金光明経に基く」(『行持軌範』「放生会法」項)とあるが、特に『金光明経』巻4「流水長者子品第十六」における宝勝如来と十二因縁によって鳥や魚が天上界に生まれ変わったという説が典拠となっている。日本では奈良時代に旧暦8月15日に行われた。曹洞宗でも一部の清規に掲載され、『行持軌範』にも収録された。「放生会法」項を参照されたい。

【内容】

曹洞宗に於ける「放生会」は、以下の経緯で成立した。
洞下に古来より法式なし、余壮年の比、教家の碩徳に伝授する作法あり、別行に印版して補す。 面山瑞方禅師『洞上僧堂清規行法鈔』巻5「別行法式十八条・放生式」項

以上のように、江戸時代の学僧・面山禅師がご自身伝授された作法を刊行したというが、当Wiki編集者は未見。なお、面山禅師が遷化される直前となる明和6年9月11日に「放生会を行ず、魚鳥の為に十二因縁を演説す、真俗の聞に預かる者若干」(『面山広録』巻26「面山禅師年譜・明和六年」項)とあって、ご自身も実施されたことが分かる。