【定義】
説法堂のこと。
住持人などが仏に代わって
学人に
説法するための
道場。
七堂伽藍の一つ。
【内容】
禅宗寺院の主要伽藍の一つである。禅宗寺院では、古くは
仏殿が無く、法堂・
僧堂だけがあったという。
師曰く「吾が宗する所、大小乗に局るに非ずも、大小乗に異ならず。当に、博約折中して、制範を設けて、務めるが宜しきなり。是に於いて創意して、別に禅居を立てる。凡そ道眼を具え、尊するべきの徳有るは、号して長老と曰う。西域の道高く臘長きを須菩提等と呼ぶ等の謂いが如くなり。既に、化主となって、即ち方丈に処す。浄名の室に同じ。私寝の室に非ざるなり。仏殿を立てずに唯、法堂を構えるは、仏祖親授の当代の尊と為すを表するなり。 『禅門規式』
宋代の
叢林の図を描いた『
五山十刹図』などを参照すると、この時代には
仏殿を中央にして、法堂はその後方に置かれた。更に後には
仏殿が法堂を兼ねるようになり、現在の
本堂の形式が成立した。
法堂には、住持人が説法する場所として「
法座」が中心に置かれている。