つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 法務司
【定義】

「法務」とは、仏教界や、諸大寺などで庶務を管轄し、僧尼を統率する僧官の一。権法務・総法務なども設置された。
しかあるに、不聞仏法の愚痴のたぐひおもはくは、われは大比丘なり、年少の得法を拝すべからず、われは久修練行なり、得法の晩学を拝すべからず、われは師号に署せり、師号なきを拝すべからず、われは法務司なり、得法の余僧を拝すべからず、われは僧正司なり、得法の俗男・俗女を拝すべからず、われは三賢十聖なり、得法せりとも比丘尼等を礼拝すべからず、われは帝胤なり、得法なりとも臣家・相門を拝すべからず、といふ。かくのごとくの痴人、いたづらに父国をはなれて、他国の道路に跉跰するによりて、仏道を見聞せざるなり。 『正法眼蔵』「礼拝得髄」巻

なお、釈雲照律師『緇門正儀』(明治13年)では天長4年(827)に法相宗の護命が「法務」に任ぜられたとしている。