つらつら日暮らしWiki〈曹洞禅・仏教関連用語集〉 - 両大本山
【定義】

寺院の分類の一。日本曹洞宗に於ける、二つの大本山永平寺總持寺)のこと。両は「2」の意。なお、『曹洞宗宗憲』第10条により、両大本山は、本宗寺院の根源であり、また信仰の帰趨となるべき場所と定められ、また全宗門人が一体となって永久に護持されるべき寺院とされている。

【内容】

両大本山に定まった経緯について、横関了胤先生『江戸時代洞門政要』では、元和の頃に伏見城に入った徳川家康が各宗派の代表者に事情を聞いて、本寺を定めようとしたという。その際、永平寺のみを本寺にしようとした見解だったのを、その当時の住持だった泰山雲尭禅師が總持寺も本寺にするよう願い出ており、それが聞き届けられたとされる。
諸師各々祖脈の源委を述べ、寺院の本支に及ぶ。源君、将に永平を以て洞門の本寺と為さんとす。師、書を殿階に上て、總持禅寺は後醍醐天皇勅賜の梵刹にして、開山瑩山に命じて、宗を匡さしむ。御製の誥命あり。其の略に曰く、曹洞出世の道場に補任す、宜しく南禅に相並びて紫衣を服して国家の延長を祈り奉るべし。次に歴朝天子の宸翰、皆斯の如し。望むらくは、閣下に請う、先蹤に随へ、と。源君見て乃ち之に従う。遂に永平・總持を陞て両本寺と為す。為に鈎帖を降して大護持を作す。總持を本寺と為るは、師の力なり。 『日本洞上聯灯録?』巻10「加州宝円泰山雲尭禅師」章

なお、栗山泰音禅師『嶽山史論』では上記の見解を否定している(380頁)。